東 繁様(アズマ労務管理研究所 代表)

東繁(あずましげる)様は社会保険労務士。そのホームページには「中途半端な退職金制度は10年以内に会社をつぶします!」と刺激的な言葉が書いてあります。

 

-------------------- 「退職金コンサルタント」として起業されたのは会社員時代のご経験を生かしてのことでしょうか

 

 最初は京セラでセラミックの海外営業をしておりました。5年後転職し、そこでは業務管理や経理を経て総務人事担当となりました。

 

 転職後、3年ほどして、業績が悪化しました。人事担当として、出来ることを色々と実行しました。そのなかで退職金倒産もあり得る危機があり、退職金制度の作り直しを行いました。その他、人事制度をいちから組み立て、人事制度とリンクするカタチで退職金制度も作り直しました。

 

 そのとき、ゼロから企画を上げ、制度設計をして、銀行や会計士さんと一緒になって人事制度を作って行くという、なかなか普通の会社にはない経験をさせていただいたので、 いろんな会社の人事制度を1から作っていけるのではないかと思い、独立しました。

 

 

-------------------- 昨年6月に起業され、現在44歳。独立のきっかけは?

 

 社会保険労務士の資格をとったのもきっかけですが、もともと会社員時代から自分自身で何かをやりたいと考えておりました。

 

   人事担当としてリストラをすることがあったのですが、退職後の社会保険のこと等、持ってる知識を知ってる限りいろんなことをレクチャーさせていただいたんですけど、辞めて行かれる方からすると僕は残る側なんで、憎たらしい相手だという位置づけだとおもうんですが、ありがとうと、感謝していただいたんです。 教えて役に立てるということをもうちょっと専門的にやりたいという思いがありました。

 

 自分自身としては5年6年のスパンで前職の会社を変えてきたので、やれるなあという思いがあります。

 上場してる会社でも人事の人間は育たない。ほぼほぼ事務処理だけしておればいいというふうに思われてる様な部署であり、そのようなことしか実際してないんです。

 自分自身としては人事をちゃんとしてなかったら会社の存続はないと思ってます。しかしそのような意識で人事を育ててる会社はない。毎日の業務に追われてる。上の方も育てる意識がないケースも多い。 しかし人事は会社の重心だという思いがあります。

 色々な企画をして会社を引っ掻き回す、ワクワクする様な企画をする必要があるし、出来る部署だとおもってますし、そういう部署にするための部門育成を会社に根付かせていきたいとおもってます。

 

 ここでは退職金制度や人事制度のプロデュースをしようと動いています。

 

-------------------- 僕が以前にいた会社でも人事がやることは採用広告を出す作業だけだということがありました。それだと人事は育たないですよね。

 

 人事の人間が外部から新しい評価制度を聞いてきて採用するということがあるんですけど、その人が知識がないから社員が思うように動かないんですよね。

 評価のシステムを入れてしまうことが全てだと思い込んでる。本当はそれは手段であって、人をうまくやる気を出させるとかモチベーションを出させるとか、そういうことのために制度はあるべきだと思います。

 

 京セラでは、そのときはわずらわしかったのですけど、今思えばコミュニケーションをとる場がいっぱいありました。春になると係やらかやら事業部やらでコンパがいっぱいありました。3月は決算目指して頑張るぞ、4月は決算お疲れさんということでそれぞれありました。新人歓迎やらスポーツ大会やら。またアメーバ経営に基づいて、時間あたり採算の合わない部署は吸収させたり等、人事としては刺激がありました。

 

 人事の仕事は数年経って慣れて来ると、楽をしようとおもってくる。人に刺激を与え、社内を騒がしい状態にしておかないといけない。そのために人事は動かないといけないんです。

 

 人事は採用や評価なんかの年間スケジュールが決まってて、それさえやっていればいいと思われがちなんですが、本当は全ての社員と接することが出来る立場なんです。 全ての社員と接する場を持ってないと、人事として全ての社員をやる気にさせることは出来ないと思います。

 

 社労士ですというと、ガッチリ、こういう(手続き等)仕事をするというイメージがありますが、わたしのやりたいのはそういうことではないです。

 

-------------------- 『人事制度のプロデュース』とは具体的にはどのように行うのでしょうか。

 

 まず経営理念や創業時の思い、ストーリーを聞かせていただきます。

 

 世代が違う方はそういうことを意識せず入った方が多い。そういったかたは給料とやってることが見合ってないと思われる場合が多い。

 

経営者の想いを上から下まで共有する様な場を作ることから入って行きます。また個々の方にヒアリングして、個人の得意不得意を引き出してあげる様な場を作っていきたい。 コミュニケーションをうまく取るための仕組みを作り上げて行きたいです。

 

 

-------------------- ありがとうございました。


<感想>

 このインタビューでは初めて知ったことばかりでした。

 

 社会保険労務士さんといえば「健康保険」「厚生年金保険」「雇用保険」「労災保険」の加入・給付の手続き業務をするひとというイメージが強かったです、正直言うと。

 

 会社に深く入り込み人事制度を変えて行くことで会社を元気にすることが出来るんだというのは東さんと話させていただいて初めて知ったことです。

 

 退職金制度もいろいろ考えて作らないと会社を倒産の危機に巻き込むことがあるし、方法ひとつでそれを回避させることも出来るということも初めて知りました。

 

 日本航空もV字回復させた京セラの「アメーバ経営」を体験し、別の会社では人事制度をいちからつくったという東さんだからこそできる「従業員を元気にする社会保険労務士」活動を、いろんな会社で見てみたいとおもいました。

 


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